始めて作家・喜多川泰作品を読んだ。地元図書館の蔵書検索で「書斎」と検索した中でヒットした。書題が「書斎の鍵」だから当然のヒットだ。と共に、「貸出中」の表示が。数日後、同図書館に行って探すと本棚の背表紙が光っていた。「ここだよ。ここ。読んでね」と。
「書斎の鍵ー父が遺した『人生の奇跡』」喜多川泰著・現代書林刊・2015年
2055年2月22日、ときは電子書籍が当たり前で、紙の本は希少物の近未来。 主人公・前田浩平は井上部長に実父の死去を伝え忌引休暇の申し出をする。亡き父とは心の距離が離れている。浩平も、父親の死という知らせに、涙の一つも流さないどころか、目の前の不満ばかりに気を取られている自分に自己嫌悪している。
久しぶりの帰省。父の葬儀が終わった後に母から告げられる父の「遺言状」。その内容は・・・・・・。
うだつの上がらない営業課長の浩平。部下・加藤の活躍。浩平が負った障害。従姉・洋子との再会。妻・日菜や偶然にリニア新幹線の隣の席で知り合った大原との出会い。浩平の会社はじまって以来の大口案件受注が浩平のせいでとん挫するのか・・・・・・。東都大学病院の志賀会長から告げられる事実。
不思議な経過から何故か浩平の手元にある書籍「書斎のすすめー読書が『人生の扉』をひらく」だ。
書籍「書斎の鍵」の中に書籍「書斎のすすめ」が入っている珍しい体裁の書籍だ。著者・喜多川泰が込めたいメッセージが「書斎のすすめ」の中にいっぱいに詰まっていて一気に読み進めた。
「書斎のすすめ」の全章のポイントを著者・喜多川泰のことばのまま引用した。
なぜ心もお風呂に入らないの?
一日生きると身体は汚れる 一日生きると心も汚れる
書斎のすすめ 序章
きれいな心で安らぎの毎日を生きる
「人生を変えるような本と出会う喜びは、何物にも代え難い幸せだ」
人生を変えるほど感動するホント出会う旅に出よう!まず一冊から
書斎のすすめ 第1の扉 書斎では「心の汚れ」を洗い流す 1
本との出会いの数だけ幸せも増える
成功したから書斎を作ったのではなく、書斎が必要なほどたくさんの素晴らしい本と出会ったからこそ成功した
本との出会いが増えるほどに、自分の才能や可能性に気づき、驚く
読書は人生を豊かにする投資である
書斎のすすめ 第1の扉 書斎では「心の汚れ」を洗い流す 2
書斎を自分だけの聖域にする
背表紙を眺めているだけで、自らの魂に問いがやってきます。「お前は、どう生きる?」
書斎で自分の魂と向き合うたびに新しい自分に生まれ変わる
書斎のすすめ 第1の扉 書斎では「心の汚れ」を洗い流す 3
人生を決めるのは「才能」ではなく「習慣」
生まれた環境が「手に入れるもの」の質や量を決定していない
「人生で『手に入れるもの』は才能によっても決まらない」
素晴らしい習慣が素晴らしい結果を引き寄せる
習慣が人を磨く どんな人でも磨けば素敵な人になる
書斎のすすめ 第2の扉 「人生の方針」は書斎で見つかる 4
読書習慣で人生は劇的に変わる
「読書の習慣のある〇〇と、ない〇〇とでは、人生において感じ取る幸せに大きな開きがあると同時に、周りの人を幸せにする能力も、受け取る報酬も大きく異なる」この「〇〇」の中には、何を入れてもいいわけです
読書によって進化したあなたは今とは別人のような活躍をするようになる
書斎のすすめ 第2の扉 「人生の方針」は書斎で見つかる 5
読書で「人生の夢」が見えてくる
「自分はどんな人間になりたいのか。そのためには、自分の人生を何に使うと決めるのか」
志がある人にとっては、目標達成までに出会うすべての出来事、人との出会いが、自分を磨く砥石
志があると、どんなことでも楽しい 志があると、どんなことでも学びになる
書斎のすすめ 第2の扉 「人生の方針」は書斎で見つかる 6
他人(ひと)との違いを恐れない勇気は本が教えてくれる
読書は、常識的な感覚を持つためにするのではありません
「自分らしく生き切る勇気」をもらうためにするのです
「変人」になる勇気が自分らしい人生を始める第一歩
書斎のすすめ 第3の扉 書斎で裸の自分と語り合う 7
読書はイメージの冒険である
一冊の小説を読むということは、「自分だけしか行ったことがない世界を一つ持つことと同じくらいの貴重な経験」を読者に与えてくれます
人間の心が変われば、世界はこうも美しく見えるのか・・・・・・
私たちの心には無限の広がりがある
書斎のすすめ 第3の扉 書斎で裸の自分と語り合う 8
読書で感性が磨かれる
紙の本にしかできないことがたくさんあります
五感からの情報を豊富に受け取りながら、本を読んで欲しい
感じ方次第で何事もない一日も夢のような一日に変わる
書斎のすすめ 第3の扉 書斎で裸の自分と語り合う 9
「応援してくれる人」は本の中であなたをずっと待っている
人生の振れ幅が大きい人が書く本に出会うと、「苦しいから、つらいからこそ、もう少し生きよう」という勇気がわいてきます
できるだけたくさんの大きな壁を越えた人たちに出会ったほうがいい
あなたを応援している人が本の中にはたくさんいる
書斎のすすめ 第4の扉 読書で「運命の人」と出会える 10
本で出会った主人公が「生きる勇気」をくれる
読者は本の中の偉人の志を受け継ぎ、エネルギーを受け取ることはできる
たくさん感動できる人生がいい そう思うと、苦しみや困難も悪くないと思えてくる
書斎のすすめ 第4の扉 読書で「運命の人」と出会える 11
「志ある人」と本で出会うと本気で生きたくなる
「魂が震えるほどの人」たちとは本の中で簡単に出会うことができます
本の中には、世界中の、いろいろな時代の、すごい人たちの生き様があります
憧れがあって初めて自分の人生を真剣に考えられる
書斎のすすめ 第4の扉 読書で「運命の人」と出会える 12
本との出会いに無駄はない
必要なことしかしない生き方は、実はとても不安定な生き方
読んだ本がどんな本であれ、自分の心を磨くよう役立てればいい
本の効果は、超遅効性なのです。
心を磨けばその人の周りにあるすべてが輝き出す
書斎のすすめ 第5の扉 書斎で「生きる力」が磨かれる 13
知っている言葉が多いほど思考も深くなる
面白いと感じる本は、一人ひとり違うのが当たり前
言葉が思考を巡らすツール
言葉の数だけ人生に深みと味わいが増す
書斎のすすめ 第5の扉 書斎で「生きる力」が磨かれる 14
「自分のため」でなく「大切な人のため」に本を読む
本を読むことは、よりよい未来をつくるために、たった一人でもできる具体的なアクション
あなたが幸せであることが誰かを幸せにしている
書斎のすすめ 第5の扉 書斎で「生きる力」が磨かれる 15
ブックルネサンスを起こそう
「ブックルネサンス」という運動が今の時代をよりよい方向に向かわせてくれる
「誰かのために本を読む」ことによって、本当の幸せな人生を実現できる
起こしますか、奇跡!
書斎のすすめ 第6の扉 ブックルネサンスで世の中が変わる 16
読書には未来を変える力がある
この国に生まれただけで、他の国では手に入らない様々な恩恵を手にしています。
一人の人間が変わることで未来は大きく変わる
受け取った愛の大きさを知れば未来を変える勇気が出る
書斎のすすめ 第6の扉 ブックルネサンスで世の中が変わる 17
【書斎】のある人生を始めよう
「素晴らしい本との出会いで、自分の人生はもっと素晴らしくなる」
本には人生を変える力がある 本には世界を変える力がある
書斎のすすめ 第6の扉 ブックルネサンスで世の中が変わる 18
人間は言語を通してコミュニケーションをする。その言語は読書によってもその人の中で成長する。その言語は文章化され本となる。その本を読むことが人生を豊かにする。そして自分以外の他人(ひと)のことも思いやれるようになる。
人は人の中という、社会構造の中で人になっていく。社会の最小単位である、夫婦。そして、親子。そして、家族。そこから、社会が形づくられる。
42年前、大学の入寮日のその日に出会い、自分の人生に多大な影響を与えた先輩が昨日亡くなった。享年64才。その先輩は私にいつも、いつも語ってくれた。「本を読め」と。還暦の今、多くの出会いを回想する今日この頃であるが、その先輩との出会いが、自分の人生の中のトップ3の出会いの一つと思う。その先輩の逝去の報に接した時に読んでいた本が「書斎の鍵」だ。
人とのめぐり合わせ。本とのめぐり合わせ。今も響く声・・・・・・「本を読め」
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